1.和算(わさん)
江戸時代、日本の人たちは算数が大好きでした。お店の人やお客さんは数字を使って計算をしていました。学校では、そろばんを使って計算を教えていて、子どもたちはそれが得意でした。
また、江戸時代には「和算」という日本独自の数学がありました。関孝和(せき たかかず)という人は和算をさらに発展させた有名な人です。和算の天才たちは、難しい問題を解いたり、新しい数学の方法を考えたりしていました。お寺や神社には、解いた問題を書いた板(算額)を奉納する習慣もありました。
算額の中には現代の専門家を悩ますような難問もあるといいます。それを江戸時代の人たちが遊びとして広く取り組んでいたというのは驚きです。
このように、江戸時代の日本では、みんな算数がとても好きで、これが今のプログラミングに役立つ考え方につながっていると考えられます。

関孝和

円満寺の算額(Eizen Goto / CC BY-SA 3.0)
2.ファイル共有ソフトWinny(ウイニー)
金子勇先生
Winnyは、日本の金子勇(かねこ いさむ)先生が2002年に作ったソフトです。Winnyは「ファイル共有」ソフトといって、インターネットを使って色々なファイルを交換するためのものでした。多くの人がこのソフトを使って、映画や音楽などをやり取りしましたが、中には著作権を守らないで違法に交換する人もいました。
金子先生は素晴らしい技術を持っていて、この便利なソフトを作りました。しかし、法律を守らずに使う人が増えたため、金子先生は問題に巻き込まれてしまいました。そして、逮捕されてしまいました。これは「出る杭は打たれる」という、日本で特に新しいことをする人がよく批判される風潮の影響もありました。
多くの人が金子先生を応援し、金子先生は無罪となりました。当時、日本がこのような先進的な技術をもっと正しく評価していれば、日本が世界のIT(情報技術)分野でリーダーになることができたかもしれません。同じころ、アメリカではYouTubeができて、世界中で人気になりました。新しい技術をどう使うかによって、その国がどれくらい成長するかが変わってきます。
今では、こうした先人のおかげで、日本でも新しい技術やアイデアが正しく評価されるようになってきました。これから未来を担う皆さんも、自由に力を伸ばして、楽しく素晴らしい世界を作っていってほしいと思います。
3.TRON(トロン)プロジェクト
坂村健先生(Tmickiewicz / CC BY-SA 4.0)
TRON(トロン)プロジェクトは、日本の東京大学教授である坂村健(さかむら けん)先生が1984年に始めた、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)を作るためのプロジェクトです。このプロジェクトは、当時のコンピューター技術の発展を促進し、みんなが便利に使えるような仕組みを作ることを目的としていました。
TRONの特徴
TRONプロジェクトは、特に以下の3つの点で特徴があります。
- オープンアーキテクチャ:
- TRONは、誰でも使って改良できるように設計されています。これにより、多くの企業や研究者が自由に使い、改良を加えることができました。
- リアルタイム処理:
- TRONは、瞬時に応答する能力を持つように設計されているため、工場の機械や自動車のエンジン制御など、タイミングが重要な用途に適しています。
- 多用途性:
- TRONは、家庭用の電化製品から巨大な産業機械まで、さまざまな用途に対応できるように設計されています。世界の機械の95%はこのTRONで動いているといわれています。
TRONの歴史と発展
TRONプロジェクトは、1984年に坂村先生が発表して以来、多くの企業や研究機関が参加して発展してきました。以下に、その主要な発展の流れを簡単に説明します。
- 1980年代:
- TRONプロジェクトが始まり、最初の仕様書が発表されました。1989年には、TRONチップが発表され、実際の製品に使われ始めました。
- 1990年代:
- BTRON(Business TRON)やCTRON(Central and Communications TRON)など、さまざまな用途に特化したTRONが開発されました。家庭用電化製品やオフィス機器、自動車など、さまざまな分野でTRON技術が使われ始めました。
- 2000年代以降:
- TRON技術は、携帯電話やスマートフォン、自動車のエンジン制御、家庭用のロボットなど、多くの製品に組み込まれるようになりました。TRONプロジェクトは、インターネットと連携した技術開発にも力を入れ、IoT(モノのインターネット)の分野でも活躍しています。
TRONプロジェクトは、日本発の技術として世界中で注目され、多くの人々の生活を支える基盤技術となっています。みんなも、未来の技術に興味を持って学んでいくことで、将来のTRONのような素晴らしいプロジェクトに参加できるかもしれませんね。

小惑星探査機「はやぶさ2」にも使われました(Nnmddns / CC BY 4.0)